太陽光発電 出力制御

九州電力管内におきまして、離島における平成29年度4月の再生可能エネルギーの出力制御実績が5月1日に公表されました。
電力会社より順次、出力制御に関する封筒も届いている事業所もあり、出力制御への関心が再び高まっています。
電力会社、契約時期等により、各発電所の出力制御ルールは異なりますが、改正FIT法でも言及があった通り、今後全ての事業者様になんらかの形で影響が出てくるかもしれません。
平成29年3月31日に、資源エネルギー庁より公開されました「出力制御の公平性の確保に係るガイドライン策定に向けたパブリックコメント」平成29年3月「出力制御の公平性の確保に係る指針」より気になった点を抜粋しておきます。

【30 日ルールが適用される事業者についても現地での手動操作により 太陽光の日射量が大きくなり出力制御が必要な時間帯(例えば、8~ 16 時)に適切に出力制御(発電停止)を行うことを考えています。 この場合、停止された時間にかかわらず、1 日とカウントされること となります。一方、360 時間が適用される事業者については、出力制御対象事業者 の年間制御日数が 30 日上限に到達するまでの間においては、遠隔制御システムにより、30 日ルールの適用事業者との公平性等を考慮し、必要な時間・停止することになります。 また、30 日ルールが適用される事業者は、前日と実需給の当日の想定誤差も考慮した上で、前日に抑制指示を行うことになること、また出力制御が行われる地域、季節、天候、需給状況等によっても、出力制御が必要な時間帯は異なるため、実際の運用等の詳細については各電力管内の一般送配電事業者からお知らせすることになります。】(資源エネルギー庁 パブリックコメントに寄せられたご意見の概要及びご意見に対する考え方より)

30日ルールと360時間ルール間の公平性を考えての出力制御は現実としてはかなり困難な問題となりそうですね。

【出力制御対応機器の設置に必要な追加的な費用については、調達価格の算定に当たって想定される費用に含まれています。また、より実効的かつきめ細やかな出力制御を可能とするため、インターネット回線を活用したシステムを構築することが必要と考えています。インターネットの活用にあたっては、出力制御対応機器の仕様において、サイバー攻撃などの脅威への対策を実施し、必要なセキュリティを確保することとしています。】(資源エネルギー庁 パブリックコメントに寄せられたご意見の概要及びご意見に対する考え方より)

事業認定時同様、インターネットによるシステム構築を進めていく方針のようです。

【6.今後の検討について (経済的出力制御を行う場合の協力義務の検討)
規模も運営主体も異なる多数の再生可能エネルギー発電設備に対して、同じ時間数を出力制御することには課題があり、実際の出力制御は柔軟に出力制御が可能な大規模の設備に限定し、出力制御を経済的に調整する手法も考えられる。また、出力制御を経済的に調整する手法を活用することにより、今後、本土で出力制御が起きる際に、住宅用太陽光発電等の小規模電源の出力制御の頻度を減少させ、物理的な制御の実運用を効率化できると考えられる。 そのため、出力制御を経済的に調整する手法について、再エネ発電事業者に対して協力することを求めることができることとする。 なお、出力制御を経済的に調整する手法については、逸失電力量の算定方法、買取価格の異なる電源間の調整方法等について、引き続き実務的な検討が必要であり、審議会(総合資源エネルギー調査会)等において議論していく。】
(資源エネルギー庁平成29年3月「出力制御の公平性の確保に係る指針」より)

経済的な出力制御については、主に住宅用太陽光発電に関しての意見のようでした。

今後も様々な変更や協力事項が出てくることが予測されます。電力の安定供給、安全性に適正に対応していくことは当然必要ですが、発電事業者の皆様に負担が集中する事がないように、慎重に進めて頂きたいと思います。